2 未来は突然やってきた
 
リスター:リマー、その髪どうしたの?
リマー:ホリーがやった。私が命令した。
リスター:やりすぎでないの?
リマー:君にとってはやりすぎでも私は気に入っている。
実に男らしい。
リスター:マッチョがたくさんよって来るよ。
リマー:短髪のどこが悪い? ビシッ見えるうえにすがすがしい。言うことなし! かっこつけで切ったのではない。行動しやすいから切ったのだ。モテるためではない。身なりは人をあらわす。
リスター:鏡で見てみなさい。
リマー:・・・完璧なオカマちゃんじゃないか、これじゃあ!
ホリー! ホリー!
ホリー:これは録音です。ホリーは現在仕事中です。メッセージのある方は、ピーっという音の後にどうぞ。後ほど応答します。
ピー
リマー:ホリー、私はリマーだ。分かるか?リマーだ。お前がマリーアントワネットみたいな髪をくっつけたリマーだよ。リマーだ!
地獄の炎でこんがりあぶってやる!
 

リマー:何やってる?
リスター:カプセルに入る。 ホリーから聞いてない?
ホリーが高速で飛行している間、入ってろって言うから。
ならいっそのこと、地球に戻るまで入ろうかなって。
リマー:地球に? 300万年もかかるんだぞ、300万年も。
一人にされたらオカマになっちゃう。

キャット:オレのワードローブ!
リスター:何やってんだよ。
キャット:服まとめろって言ったじゃん。
リスター:大切な物があったら、2つ3つ持っておいでって言ったんだよ。
キャット:でしょう。これ、オレのオタカラだもん。あとこれと同じのが10ラックある。
リスター:こんなにいっぱい置くとこないよ。持っていけるのはスーツ2着。
キャット:2着? じゃあ、オレは残る。
リスター:残ったら、オレが出てくる頃死んでるぞ。
キャット:スーツ2着よりはマシ。
・・・ねえ、パンツ脱ぐから、3着持ち込んでもいいかニャ?

ホリー:我々は高速以上のスピードですすんでいます。つまり何かを見た時、それはもう通り過ぎている。IQ 6000 でも、この時空の乱れだけは嫌なものです。
リスター:手伝おうか?
ホリー:いいえ、結構。なんとか頑張ってみます。


リマーホリー、どうなってる?
ホリー:なに?
リマー:何が起こっている?
ホリー:私はホログラミックコンピューターです。あなたがたの母親ではございません。
今度は何ですか? 宿題のお手伝い? それとも忘れ物を私に探せと言うのですか?
我々は超高速で飛行しています。そのため、未来で起きる事を今の時点で見てしまうのです。
 

・・・突然、壁に写真が現れる・・・

リマー:何だ、その写真?
これが未来エコーというやつか?
リスター:赤ん坊? こんなの初めて見た。
子供が2人・・・どうやって作ったんだろ?

リマー:ショックでパニくるな。今お前が死ぬところを見た。
リスター:そんなの聞いたらパニくるよ。
リマー:私だってショックをうけたんだ。知ってる人間が目の前で、あんなおぞましい、恐ろしい死に方をするなんてもう。
リスター:それってオレだろ?・・・一瞬だった?
リマー:まあ、即死とは言えないケースだろうねえ。
うめき声をあげながら、苦しみのたうちまわっていた訳だからして。
リスター、謹んでお悔やみを言わせてもらうよ。
リスター:あんた心底楽しんでんね。
リマー:死んじゃっても、今はそれほど悲しくはないんだって言ったろう? ボクみたいにホログラムで復活できちゃうしね。
リスター:そうだよ。どんな状況にも希望はある。
リマー:そうかなあ? 君がジグソーパズルのピースみたいにバッラバラになってもかねえ?
リスター:どうしてだよ、やりたいこといっぱいあるのに・・・。
そう、まだ北京ダックも食べてないし、あの、あれも読みたかった・・・本。
家庭も作りたかったよ、恋をして結婚して、そういうのやってみたかったよ。
リマー:ホリー、いそいでカードをつくってくれ、黒枠で。
文は、「デイブ・リスターへ哀悼の言葉を送ります。
なんて詩だっけな・・・つかれた旅行者よ、頭を休めよ、私のように、君は死んじゃった。」

ホリー:緊急事態です。緊急事態が発生しました。ナビゲーションコンピューターがオーバーヒートしました。
ドライブコンピューターと繋いでくれますか。
 

リスター:6.5.4.3.2...
やったあ、死なずにすんだ!

・・・死ぬとわかっていつつ、修理するリスターだったが、修理は無事終了する・・・
 

・・・部屋に帰ってくると、未来エコーによって現れた171才のデイブが横たわっていた。・・・

171才のリスター:ワシも25才のとき、171才の自分から言われた。これから言う事をお前も年をとったら、自分に言うのだぞ。
リマー:脳味噌の少なさは相変わらずだな。
171才のリスター:ベックスレーの事を教えてやる。
リマー:ベックスレーって?
リスター:次男の名前にね。サッカー選手のジム・ベックスレーにちなんで。
リマー:次男だと? じゃあ、長男はなんて?
リスター:ジム。 ジム・ベックスレーにちなんで。
171才のリスター:リマーが見たのはお前じゃない。ベックスレーだ。
リスター:じゃあ、死ぬのはオレの子なの?
171才のリスター:カメラを持って、医療ユニットへゆけ。

リマー:私には何が起きるんだ、じいさん。
171才のリスター:リマー、自分がどうなるか知りたいか? もっと近くへ来い。
へっへっへ・・・笑いながら消える171才のリスター
リマー:このゴキブリ! どいつもこいつもゴキブリだ!
 

・・・医療ユニットにいくと、近い未来エコーのリスターが現れる。・・・

近い未来のリスター:オレは見えないけど、そっちは見えてるな
二人の息子を紹介するよ。これがジム、これがベックスレー
リスター:泣かないで。にっこりして
・・・ハイ・チーズ・・・
 

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